eラーニングを活用した人材教育、組織戦略の現状と未来を語り合う専門フォーラム

2018年:第15回 日本e-Learning大賞 受賞者発表

昨年度(2017年:第14回) 日本e-Learning大賞 受賞者発表

第14回「日本e-Learning大賞」受賞者インタビュー

株式会社Digika
新!暗算学習法「そろタッチ」
株式会社Digika 代表取締役社長 橋本恭伸氏にお話を伺いました。
受賞の一報を受けたときの率直な感想をお聞かせください。
驚きました!我々23教室を展開しておりますが、規模としては決して大きくはありません。だからこそビジネスの規模などではなく、純粋にプロダクトの良さを評価して頂いたのだと非常に嬉しかったです。
改めて「そろタッチ」とはどのようなサービスですか?
そろばんの仕組みを応用した新しい暗算学習法です。iPadに両手でタッチして操作します。暗算を頭の中で数式を思い浮かべて計算するのではなく、珠を思い浮かべて計算をする「イメージ暗算」(そろばん式暗算)」を短期効率的に身に付けます。右脳が活発でイメージ力旺盛な5歳~8歳が学習開始の適齢期です。
そろばんや計算力に注目された背景は何だったのでしょうか?
今、STEM教育(※)の重要性が注目されています。ところが、その基礎となる算数が嫌いだという子供が多いのです。なぜ算数が嫌いなのか?それは計算が苦手だからです。暗算のツールといえばそろばんですが、そろばん人口は減り続けています。そろばん式の暗算スキルを身に付ける場が昔ながらのそろばん塾にしかない。でも実は海外ではそろばんが流行っていたりするのです。

我々はここに着目し、そろばんを応用して幼少期に『計算力』を楽しく効率的に伸ばし、さらにグローバルに活躍する人材に共通してみられる『チャレンジ精神』や『集中力』も身に付けられる「そろタッチ」を開発しました。どんなスポーツにも体幹トレーニングが生きるように、STEMの基礎となる数字に対する自信と関心が、これからの世界を生きる子供たちの可能性を最大限に引き出してくれると考えています。
ほかのサービスにはない、「そろタッチ」の特長や強みは何ですか?
弊社のスタッフは私以外全員が主婦なんです。スタッフのママ目線はもちろん、生徒の保護者の皆様からも日々忌憚ないご意見、ご家庭での様子などをフィードバックいただき、逐一「そろタッチ」に反映させています。母親の子供への気持ちって一番強い当事者意識ではないでしょうか?そういった意味では徹底的にユーザー側の視点にたって開発されたプロダクトだからこそ、親御さんにも安心して使って頂けているのではないかと思います。

また、iPadなのでデータが全部取れるというのも大きなポイントです。学習進捗や他の生徒さんの頑張りをランキング等で毎日確認できることが、楽しく継続できる動機付けになっています。
今後の展望をお聞かせください。
「そろタッチ」はネットでも学べますが、教室だけのアクティビティや励まし合える友達と一緒に学べる教室生は、継続学習のモチベーションの維持向上に大変重要な役割を果たすため、全国にもっと教室を増やしていきたいですね。

「そろタッチ」は計算に特化していますので、その先の文章題や図形などのコンテンツをお持ちの方、低学年向けのコンテンツをお探しの学習塾さんなど、さまざまな方と協業できれば、よりお子さんのためになるサービスがご提供できるかと思います。「子供の自己肯定感を育て、子供たちのもつ可能性を最大限引き出すことに貢献する」が弊社のミッションです。ご賛同いただけるパートナーさんをぜひ募集しております!

教室開校:http://sorotouch.jp/fc/index.php
教室に通えない方はネット生も募集中:http://sorotouch.jp/hajime/net.php

※STEM教育……Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)を重視した教育。

福原審査委員長のコメント

大賞を受賞された「そろタッチ」について受賞理由や選定のポイントをお聞かせください。
「そろタッチ」はシンプルでわかり易いけれど、ICTをしっかりとうまく使っていますよね。ポイントは「古くて新しい」こと。そろばんという、計算機としてはほとんど寿命が終わったシステムがICTの力で見直され、新しい命を与えられているという点が秀逸です。すべてが目新しいものではなく、古くから積み重ねられてきた良さを生かしています。

さらに付け加えるならば、取り組んでいる方々の熱意が素晴らしかった。日本e-Learning大賞はテクノロジーだけでなく、ビジネスの可能性や展開も含めて評価をしていますので、「そろタッチ」に関わる皆様の熱意と今後の拡がりの可能性、そういったものを含め高く評価しました。
応募者の熱意はどこでチェックされているのでしょうか?
最終審査のプレゼンテーション、そして質疑応答です。とくにこちらからの質問に対する答えと対応が重要なポイントとなります。書類や一次審査ではそうでもなかったものが、最後のプレゼンテーションと質疑応答で大きく評価を上げるケースもあります。ですので、1件1件しっかりと話を聞き、質疑をして評価するというプロセスを大事にしています。
今年は122の応募がありました。今年の応募作品にみられた傾向を教えてください。
今年は初等中等教育向けのサービスが増えました。なかでもアプリが多かったです。「そろタッチ」もそうですね。また、新しい傾向としてはAIを活用した取り組みが目立ちました。昨年あたりから見られるようになりましたが、研究段階のものがほとんどでした。それが少しずつ現場のサービスや実用化に近づいてきている印象です。キーワードとしては働き方改革、介護支援や高齢者対応に対する取り組みが例年より増えました。
来年はe-Learning大賞も第15回目を迎えます。どのような開催となりそうですか?
「e-Learning」という言葉は、昔から知っている方にとっては少々古くなった気がするかもしれません。しかしながら「学びをeで支える」すべてのものを指しますから、むしろ“ICT活用の象徴”ともいえる、ますます重要なキーワードであると言えるでしょう。そのなかで日本e-Learning大賞は、単にテクノロジーを使うと楽になりますよではなく、「人の価値を高めることをeで支えていく」というのがコアコンセプトです。こうした思いをしっかりと発信することで、より多くの方にご応募いただくアワードでありたいと願っています。応募、受賞される可能性のある取り組みがまだまだ世の中に眠っていると思いますので、来年の開催も楽しみにしています。