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集合研修の新しい形次世代集合研修

集合研修のあり方が大きく変わろうとしています。これまでは一箇所に対象者を集めて、同じ内容の話を聞く、もしくは同じことを全員で行うというのが一般的でした。しかしICTを導入することによって、これまででは考えられなかった多様な学習の形が生まれているのです。

eラーニングアワード2020では、こうした新しい集合研修を「次世代集合研修」と呼び、テーマのひとつとして取り上げています。

ここでは「次世代集合研修」の事例をもとに、集合研修の変容をご紹介します。セミナー・展示情報もありますので、合わせてご覧ください。

次世代集合研修関連の出展企業様一覧

次世代集合研修の主な事例

従来の集合研修は事前・事後学習(予習・復習)として、ICTを活用する例が多くありました。その枠には収まらない、「次世代集合研修」のたくさんの事例が出てきました。

次世代集合研修に「これ」という決まった形式はありません。また抱える課題や環境によって、効果的な研修の形や内容は異なります。
最適な次世代集合研修を模索するためには、さまざまな事例を知ることが一番の近道と言えるでしょう。

ここでは国内の次世代集合研修事例を簡単にご紹介します。

参加者の意見をその場で見える化

授業や研修の最中、生徒や参加者に質問をしても反応がまったくない。多数決を採っても、手を上げた人たちの数を数えるのに時間がかかってしまう。そんな状況に陥ったことのある方は少なくないでしょう。

ICTは、そんな課題解決の一助になってくれます。

例えば先生の出題に対して、生徒たちが手元のデバイスに表示された◯と☓で答える。すると集計結果がリアルタイムで確認できるので、瞬時に教室全体で共有しながら議論を深めていくというものです。

またセミナーでは、ツイッターやアプリを使ってリアルタイムにアンケートを集計する、ということも行われています。

講師が出したアンケートの答えを、参加者が特定のアプリやツイッターに入力する。その回答を見ながら、講師は「参加者が本当に知りたいこと」を話していく。

講師は参加者の実情に即した講義ができますし、参加者は自分の質問が議題に上がるかもしれないと真剣に耳を傾けるようになります。参加者が受け身になりがちな社員研修が熱を帯びるかもしれません。

参加者個々の「つまづき」を可視化してフォロー体制を強化

参加者の中には「講義の中で気になることがあったけれど、途中で質問するのは恥ずかしい」という人もいるでしょう。実際に多くのセミナーや授業において、途中で手を挙げる人はそれほど多くはありません。参加者同士の親睦が浅い新人研修や新卒研修などではなおのことでしょう。

しかし、手元のデバイスに映る「?」アイコンを押すだけで、講師に「わからない」「質問したい」という意思表示ができるなら、多くの人が利用したいと思うかもしれません。

例えば、いつ誰が「?」アイコンを押したのかを、講師のデバイスに表示することができれば、参加者それぞれの理解度の把握だけでなく、一人ひとりへより厚いフォローができるようになるでしょう。

集中力の「見える化」「数値化」で研修と組織を変える

人は集中力が途切れると、まばたきが減り姿勢も良くなるそうです。この原理を応用し、研修を受けている人の集中力を可視化できるサービスも始まっています。

受講者の集中力を可視化できれば、その状態に合わせて授業のやり方を柔軟に変えることもできるでしょう。また集中力の低下が見られる受講者の手元にあるデバイスにアラートを出して覚醒させる、なんてことも。

さらに受講者の情報を蓄積すれば、生産性の上がる行動は何か、どんな時にモチベーション下がるのかを分析することができます。いわゆる「ビッグデータの活用」です。その結果、部署や教室ごとに施策を打てるなど、より効率的に生産性を上げることができるようになるでしょう。

ロボットの分身を使って遠隔地で授業を受ける

ICTを利用すれば、授業やグループワークに参加するだけでなく、遠く離れた学校の構内を歩き回り、出会った人とコミュニケーションを取ることも可能です。

例えば遠隔で移動できるロボットにタブレットを取り付けることで、操作する人の顔を映し出した「分身」を作り出す事ができます。このロボットを操作することで、物理的に通うことが困難な学校に「通う」ことができるのです。
参照:ANAが提供する『Beam Pro』で遠隔地教育の実現のための共同トライアル授業を実施します(N高)

こうした取り組みはインターネット通話などでも可能ですが、操作する人が動けないというデメリットがありました。「移動できるロボット」の登場は、単に行動の自由が利くというだけでなく、何気ないコミュニケーションから生まれるひらめきや、参加者同士の交流をも促せるという大きなメリットも得ることができるのです。

「次世代集合研修」の事例から分かるメリット

このように次世代集合研修の形式はさまざまですが、すべてに共通することがあります。

それはICTの導入によって、これまでの集合研修では対応が難しかった課題を解決しているということです。次世代集合研修を導入する大きなメリットだといえるでしょう。

一見同じように見える集合研修も、それぞれの環境や条件などによって、抱えている課題は異なります。だからこそ次世代集合研修の形はひとつでないのです。

ここでは集団研修の代表的な課題とそれぞれのメリットについてご紹介します。

参加者全員で進める「参加型講義・授業」の実現

これまでの集合研修は、一人の講師が情報を一方的に多数の参加者に伝える形が多く、参加者は受け身になりがちだったり、自分から主体的に意見を述べることが難しくなったりするという弊害に見舞われていました。

しかし意見を見える化することで、参加者の意見を反映した授業ができるだけでなく、一人ひとりが授業内容を自分ごととして捉えられる環境を用意できるようになりました。自分の出した答えと周りの反応の違いに興味を持ったり、投げかけた疑問をテーマに研修や議論が進んだりすることは、参加者にとって大きな刺激になります。
何より、主体性を持ってモチベーション高く取り組むきっかけを与えることができるのです。

授業履歴の蓄積による質の向上

多くの研修において、参加者の様子や講師の対応をデータとして残しているところは、それほど多くはないでしょう。OJTで行われることの多い新人研修などはなおのことです。そのため講師は授業内容を客観的に振り返ることが難しく、質の向上につなげにくいという課題がありました。

ICTを用いれば、参加者の感想などはもちろん、生徒の集中度や反応などを残すことができます。このビッグデータを活用すれば授業全体の質を上げることができるでしょう。

また参加者個々で履歴を残していけば、それぞれの強みや強化すべきポイントなどが、より高い精度で見えるようになります。そのため、個々の課題に応じた教材や研修を提供することも可能です。集団で研修や授業を受けているにもかかわらず、個別学習のような効果が得られるようになるかもしれません。
そのため、個別での対応が求められる次世代リーダー育成やヒューマンスキル向上を盛り込んだ研修などでも効果を期待できるでしょう。

教育現場にも求められる「集団の中の個別教育」

実際に2019年6月には文部科学省から、教育現場でのさらなるICTやビッグデータ活用を促すための工程表が発表されました。その中には、2025年度までに児童生徒に対し、教育用として一人一台パソコンやタブレットを持たせることなども盛り込まれています。

他にも、全国の生徒の基本情報やテストの結果、授業中の発話回数などを収集し、AIによる分析を進めることや、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)、デジタル教科書を活用することで、生徒たち一人ひとりに適した教育教材の提供なども盛り込まれています。

場所や時間による学習機会損失をなくす

ICT導入の大きなメリットのひとつは、物理的な距離が問題にならないという点です。ロボットの導入は難しいかもしれませんが、インターネット電話やeラーニングを利用することで、だれでも簡単に遠隔地の講習を受けることができます。

そのため、優秀な講師やより専門性の高い先生の授業を遠隔地で聞くなど、受講者の能力や学習状況に合わせた研修・授業を受けやすくなるのです。

次世代集合研修で人事教育にさらなる可能性を

今回ご紹介した事例以外にも、多様な次世代集合研修がさまざまなところで行われています。eラーニングアワード2020では、こうした集合研修の最新情報をご覧いただくことができます。ぜひ、今起こっている集合研修の変革を会場でご体感ください。

次世代集合研修に関する展示会で得られる情報

次世代集合研修事例の多い企業が多数展示しています。
御社のビジョンを実現するためにプロフェッショナルが情報提供やご提案いたします。

などなど...

次世代集合研修に関するセミナー

来場者様の声

展示会やセミナーで話を聞いて、世界が広がりました

私の関わる部署にもICTをより取り入れようと、初めてeラーニングアワードフォーラムに参加しました。研修の改善はもちろん、業務効率や組織レベルでの改善を行ったたくさんの事例やソリューションを聞いて、早急な変革の必要性を感じました。自社の参考になる事例だけでなく、サービスの選択肢もたくさんあることがわかり、世界が広がりました。

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