eラーニングを活用した人材教育、組織戦略の現状と未来を語り合う専門フォーラム

AWARD-WINNER

eラーニングアワード
受賞企業様一覧

eラーニングアワードで受賞した企業様の一覧です

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第16回「日本e-Learning大賞」受賞者インタビュー

大賞受賞おめでとうございます。改めて、「ケアブル」はどのようなサービスですか。
窪田様:介護現場で起きる様々なシーンをVRで体験し、「現場力」を育成する介護研修トレーニングです。介護職員目線で日常の中にある危険を察知する「危険予知」や、被介護者目線で介護職員のケアを体験する「認知症理解」など、初任者の現場研修をVRで簡単に実施することができます。
なぜ、このようなサービスを作ろうと思われたんですか?
窪田様:いま、日本の介護業界は圧倒的な人材不足と言われています。この原因の一つが「育成環境不足」です。
僕自身、全国の介護施設を回りましたが、現場は忙しく十分な教育が物理的に難しい状況です。育成環境不足は初任者の自信や達成感を損なう要因となり、早期離職につながります。結果、ベテランが育たず、慢性的な人材不足を引き起こしてしまう。介護する側にとっても、される側にとっても不幸ですよね。この改善にVRが使えるのではと考えました。
介護研修におけるVR活用のメリットとは何でしょうか。
窪田様:どの介護施設でも「目線を利用者さんに合わせましょう」と教えられますが、合わせないとどうなるのか、介護未経験者にはピンとこなかったりします。ですが、「ケアブル」で実際に被介護者の立場を体験してみると、介護職員から立ったまま何か言われると、圧迫感を感じ、嫌な気持ちになるということがはっきり分かります。
介護は形式化されていない暗黙知が多い領域です。見て、感じ取るしかない内容、いわゆる職人技や気付く力というようなものですね。今までは学習が難しかった分野ですが、VRという新しいテクノロジーを使うことで、実際に体験して学習できるようになってきています。そういう意味で、VRには非常に大きなアドバンテージがあると思います。
2019年7月のリリース以来、多くの介護施設や教育機関で導入が進んでいるということですが、実際に「ケアブル」を使われた方々の反応はいかがですか?
窪田様:ある特別養護老人ホームにて行ったVR研修後のアンケートでは、受講者の97%が通常のケーススタディより「わかりやすい」「とてもわかりやすい」と回答されています。「面白い」と言っていただくこともあります。「ケアブル」で研修をやると必ず誰かが笑う、そんな明るい研修は今までなかったと。教育効果だけでなく、現場の負担減にもつながっているのではと感じます。
最近ではあらゆる分野でVR導入が進んでいる印象ですが、他社との差別化という意味ではいかがでしょうか。
窪田様:弊社の創業者はテレビ局の出身で、映像のプロ。ですからコンテンツの質が違います。VRにクオリティが必要なのかと思われるかもしれませんが、画像が荒いと臨場感が感じられなくなってしまうんです。VRトレーニングに集中してもらうためにも、撮影や編集には相当こだわっていますし、そのテクニックやノウハウは他には負けないと自負しています。
「ケアブル」のVRコンテンツも相当こだわって作られたのでしょうか。
窪田様:コンテンツ開発には介護の専門の方に監修についてもらっていますし、一度作ったコンテンツは必ず介護の現場の方々、それも経営者から新人、外国人を含めた多くの方に体験していただき、そこから上がってきた改善点を直すというサイクルをひたすら繰り返して作っています。介護シーンはオーディションで募ったプロの役者さんに演じて頂いていますが、作り直すたびに再度同じ役者さんにオファーして撮り直しをしています。そこまで徹底してこだわって作っているので、真似はできないと思いますね。
もう一つ、ケアブルの特長のひとつに、VR空間のユーザー行動を解析するAI エンジンが搭載可能という話がありました。これは、VR体験中のデータが取得できるということですか?
窪田様:そうです。目線や行動などのデータですね。たとえば、利用者さんをベッドから車いすに移す際、ただその動作だけをすればいいのではありません。ベッドの柵はどうなっているか、動く先に障害物がないか、車いすの動線を確保できているかなど、一つの技術を実施するにあたって見なければならないポイントが複数あります。そこをちゃんと見ているかどうかがベテランと新人の差だったりするため、こうした目線データも含めた行動解析エンジンが実装されています。もちろん一般的なeラーニングシステムと同様に、どの施設でどんな学習がなされたかといった学習進捗データに関しても取得することができます。
介護部門、VRトレーニング事例の大賞受賞は今回が初となります。審査プレゼンでは手応えはありましたか?
窪田様:絶対に「ケアブル」の良さを分かってもらおうという気持ちでプレゼンしましたが、最初はそんなに食い付きがよくなかったんです。ですが、ゴーグルを配って実際に体験して頂いたところ、審査委員の皆さんの反応もガラッと変わりました。
「ケアブル」の強みである“体験”が審査でも威力を発揮したんですね。最後に、今後の展望をお聞かせください。
窪田様:VRでムーブメントを起こしたいと思っています。VRでしかできないこと、価値が必ずあると思っています。たとえば、介護分野でも最近は日本人だけでなく、外国人材にVR教育が効果的だということがわかってきました。外国人教育は効果的なツールが不十分で、言葉の壁もあり、教える方、教えられる方ともに行き違いが多く、現場も非常に苦労しています。VRで共通のイメージを持てば、行き違いが埋まり、教育現場の負担を軽くすることができます。医療、介護、リハビリ、製造など日本の得意とするスキルはすべてVR化できるうえ、世界に輸出できるものも多く、インパクトが大きいものばかり。これからもスピード感をもって進めていきたいですね。

審査委員のコメント

大賞を受賞された「ケアブル」について受賞理由や選定のポイントをお聞かせください。
「ケアブル」は、VRを活用して介護士と利用者の双方の立場から現実に近い体験を通し、短時間で質の高い学習機会を提供していると認められました。現在、介護現場に限らず、現場人材の不足による教育機会の減少は社会的な課題です。「ケアブル」は短時間で集中して現場力の高い人材を育成する仕組みとして、さらに幅広く活用が広がることが期待されます。
介護部門、そしてVRトレーニング事例の大賞受賞は今回が初となります。『日本e-Learning大賞』全体としてはどのような意味をもつ大賞受賞となりましたか?
今回は介護の教育現場におけるVRの活用でしたが、新たなテクノロジーの活用は、職場や生活のシーンに限らずあらゆる所で急速に広がっています。
一方で、教育での最新技術の活用は、まだまだ例が少ない状況です。既存のe-Learningの枠に留まることなく、進化を続ける技術の活用にチャレンジしていただき、これからも社会に役立つ製品を発掘してゆければと考えます。
受賞者の皆さんによるパネルディスカッションも非常に聞き応えがありましたが、今年の受賞者になにか共通するものは感じられましたか?
学習の効率性や学習効果が高いコンテンツや仕組みは、今や当たり前となりつつあります。それに加え、多くの方々が持つ社会的な課題や期待に応える仕組みを、情熱と使命感を持って開発されたことが、今年の受賞者に共通する点ではないでしょうか。
今年もたくさんの応募がありました。今年の応募作品にみられた傾向を教えてください
かつては、学習効果を示すエビデンスが曖昧だったり、制作側の主張だけで学習者の視点があまり考慮されていないような応募作品も散見されました。近年は選定段階でこのような作品はなくなり、応募用紙の中でしっかりと記載されている傾向が見られます。
例年、日本e-Learning大賞トラック内にて受賞者のパネルディスカッションを開催しますが、今年はそれに加え、多くの受賞者の皆様が講演を行ってくださいました。まさに本アワードの理念である「成功事例の共有」を体現した形での開催となったのではないかと思います。
このアワードが始まった15年前は、eラーニングに関わるベンダーや専門家による講演が中心でした。近年は、直接ラーニングに関わらない業者や個人の方も応募していただくようになりました。今年も大賞のVR活用のほか、ロボット、AI活用など枠にとらわれない、幅広いアイディアを生かした作品が多くなり、デジタルラーニングにおける広がりが期待されます。
最後に、来年の開催に向けての思いや方向性、応募検討者へのメッセージをお聞かせください。
デジタル・トランスフォーメーションの進化は、職場も生活も、あらゆる環境を変革する力を持っています。グローバルでは、ラーニングに関わるデジタルの影響は驚くほどの進化をしています。一方で、日本はやっとラーニングでの活用が始まったばかりです。このアワードは、業種・業態に特化したものではなく、個人でも組織でも、誰でも参加できます。
皆様の周りで、e-Leaningの取り組みとして貢献している作品があれば、是非とも応募していただき、ラーニングの進化に貢献するチャレンジをしていただけるようお願いいたします。

第15回(2018年度) eラーニングアワード 受賞企業様

2017年の日本e-Learning大賞を受賞された株式会社Digika様に、この1年の変化や成果をお聞きしました。

第14回「日本e-Learning大賞」受賞者インタビュー

第14回日本e-Learning大賞受賞
株式会社Digika
新!暗算学習法「そろタッチ」


2017年に日本e-Learning大賞を受賞された株式会社Digika の代表取締役社長 橋本恭伸氏に、この1年の変化や成果をお聞きしました。
昨年「そろタッチ」で大賞を受賞されてから1年経ちましたが、なにか変化はありましたか?
橋本氏:一番大きかったのは、我々の大きな励みになったということです。目に見える形で第三者機関に評価頂いたこと、しかも経済産業大臣賞を大手のZ会さんが受賞されるなど、名だたる有名企業さんの素晴らしいサービスが並ぶなか、最優秀賞を受賞させて頂けたのが本当に意義深くて。社内のメンバーはもちろん、「そろタッチ」は多くの生徒さんとその親御さんが開発に関わって下さってできたものですから、保護者さんも含め非常にうれしく、励みになったということを一番実感しています。
昨年の受賞時に今後は教室を増やしていきたいと話されていましたが、教室は増えましたか。
橋本氏:倍以上に増えました。昨年、受賞させていただいた時にはまだ関東近県のみの教室展開だったと思います。それが今月は岐阜、先月は静岡、大阪にも新しい教室ができましたし、さらに増える予定です。また、ニューヨークや香港など海外にも教室が広がっています。
すでに海外展開されているんですか?
橋本氏:はい。香港の教室ではそろばん式暗算上級レベル(*)の計算力を、小学1年生の子が半年で身に付けるといったような事例も出てきています。このそろばん式暗算上級レベルの習得率は「そろタッチ」導入前は4年間通っても10%程度でした。これまで特別な能力を持つひと握りの子だけが到達できていたものが「そろタッチ」で一般化でき、海外でも、そしてそろばん未経験の先生でもこうした結果ということで、かなり成果が出ています。
日本から世界へと「そろタッチ」がまさに加速度的に広がっているんですね。
橋本氏:これまで「そろタッチ」の広がり方というのは、子供が能力開発されていく様子を目の当たりにしてびっくりされた親御さんによる口コミが主でした。それ自体も非常に強い動機付けですが、単に「計算力を高めるそろタッチ」から「権威あるアワードで最優秀賞を受賞したそろタッチ」へと大きな信頼感が付加され、生徒さんの増加という面で間違いなく力になっています。海外に出ていくときも必ず「日本e-Learning大賞を受賞した」という枕詞をつけてお話しできるようになり、自信を持って外に展開していく原動力となりました。
今年はeラーニングアワードフォーラム2018のスポンサーとしてブース出展をされると共に、講演も行っていただきました。
橋本氏:お恥ずかしい話ですが、営業活動を私一人でしかできていないものですから、まだまだアピールが足りていないのが実情です。そこで、昨年賞をいただいた場でぜひアピールをしたいということで今回出展させていただきました。
ブースも常に人が絶えることがないほどにぎわっていましたね。
橋本氏:我々のダイレクトなお客様になり得る方もいらっしゃいましたし、海外に持っていきたいプロモーターの方など、いろいろな感覚の方とお会いすることができました。その場ですぐ商談がまとまったり、見学の日程調整を希望される方もいらっしゃったりと一定の手応えを感じています。会期中3回の講演をさせていただきましたが、この効果がとくに高かったように思います。
最後に今後の抱負をお聞かせください。
橋本氏:我々はいま、「そろタッチ」のクオリティを高めるというところに意識を向けています。これを日本全国、そして世界に広め、世界中の子供達の数字に対する自信を育んでいきたいと思います。

そろばん式暗算上級……グローバル暗算検定3級以上、または「そろタッチ」のS12レベルをクリアすると上級となり、リスニングでも筆記でも以下のような問題を素早く暗算できるようになる。

・2桁8個の足し引き算を約10秒で暗算解答
・3桁×1桁の掛け算や4桁÷1桁の割り算を約7秒で暗算解答

そろタッチでは、単に桁幅を広げるだけではなく、概数を瞬時に把握し会話や生活、算数や数学につなげるといったイメージ暗算力の習得を目指している。